ビセンテ・デル・ボスケ(Vicente DEL BOSQUE)
フルネーム ビセンテ・デル・ボスケ・ゴンサレス
国籍 スペイン
出身地 サラマンカ
生年月日
   
   
   
   
   
   
   
   
   
   
経歴 1987〜90 レアル・マドリーB
1993〜94,1995〜96,1999〜03 レアル・マドリー
2004〜05 ベジクタシュ(トルコ)
2008〜16 スペイン代表
獲得タイトル 99/00,01/02UEFAチャンピオンズ・リーグ
00/01,02/03リーガ・エスパニョーラ
01/02UEFA最優秀監督
02FIFAインターコンティネンタル・カップ
10FIFAワールドカップ
12FIFA最優秀監督
12UEFA欧州選手権
現役時代はR・マドリーでセントラルMFとして活躍し、国内リーグ5度、国内カップを4度制しました。欧州では80/81シーズンのチャンピオンズ杯決勝でリヴァプールに、82/83シーズンのカップウィナーズ杯決勝でアバディーンに敗れ、タイトル獲得はなりませんでした。
スペイン代表としては18キャップあり、1980年欧州選手権に出場しました。

2000年代前半に「銀河系」と称されたR・マドリーで選手の引き立て役に徹し、スター選手がそろうロッカールームに安穏をもたらして数々のタイトルを獲得。その包容力に満ちた人心掌握と輝かしい実績により、現場から離れていても各方面からオファーが絶えません。
手持ちの選手の能力を最大限に生かすことが得意で、あまり戦術やフォーメーション(4−4−2、4−3−3、4−2−3−1)を変えることはありません。

33歳で現役を退くとそのままクラブに残り、下部組織で若手の育成に携わります。カスティージャの第2コーチに就任し、その後87/88シーズンに監督に就任します。1年目に18勝12分8敗で2部リーグ3位の成績をおさめましたが、1部リーグにトップチームが在籍していたため昇格はならず、翌シーズンは16位に沈み2部リーグBに降格しました。その後下部組織のコーディネーターに就任し、カシージャスやポルティージョら有望な若手をを発掘しました。
そして93/94シーズン途中にベニト・フローロ監督の後を継ぎ、トップチームの監督に就任。デビュー戦を勝利で飾り、その後10試合指揮を執ります。翌シーズンは再びコーディネーターになりました。95/96シーズンも1試合のみ指揮を執り、アウェーの試合で大勝しました。
99/00シーズン、トシャック監督の辞任に伴い11月に3度目の監督就任となります。ここから黄金時代が到来したといっても過言ではありません。問題児アネルカの存在やセードルフとI・カンポの衝突などトラブルが続いていたチームに落ち着きをもたらし、寛大な性格と的確な指示で選手の信頼を集めました。また、それまで守備的MFとしてプレーしていたI・エルゲラをリベロにコンバートし機能しました。リーグは5位でしたが、史上初の同国クラブの対決となったチャンピオンズ・リーグ決勝でバレンシアを下し、自身初のタイトルを獲得しました。
翌00/01シーズンはフィーゴをバルセロナから獲得して世界を驚かせた他、ミランへ去ったレドンドの後釜にマケレレやF・コンセイソンを獲得して中盤の守備を安定させます。また、FWモリエンテスの負傷離脱により、苦肉の策として本来MFであるグティをFWにコンバートさせると、それが見事に的中し14ゴールを挙げる活躍を見せました。エースのラウールも24ゴールで得点王になるなど圧倒的な強さでリーグ優勝を成し遂げました。
01/02シーズン、加入したジダンを最大限に生かす布陣を模索しますが、なかなか機能せず、リーグではバレンシアやデポルティボに遅れをとります。しかしチャンピオンズ・リーグ決勝ではジダンの左足ボレーでレヴァークーゼンを破り、クラブ100周年を欧州制覇で飾りました。
翌シーズンはゲームを作るジダンとフィーゴの連携が深まり、それにより加入した3人目の“銀河系”ロナウドが23ゴールを挙げて活躍します。R・ソシエダとのデッドヒートは最終節のビルバオに勝利して逃げ切ったことで終焉を迎え、2年ぶりのリーグ優勝を達成しました。12月には日本でのインターコンティネンタル杯を制してUEFAから表彰されました。
しかしベッカムや新しいCB獲得の是非、常に選手の立場を擁護していたスタンスによりフロントとの摩擦が絶えず、このシーズン終了後に職を追われます。しかしクラブを知り尽くした自身を解任した代償は、その後しばらく続く低迷期を見れば、あまりに大きいものとなりました。
03/04シーズンはベジクタシュで1シーズン指揮を執り、チャンピオンズ・リーグではグループリーグ3位となりUEFA杯3回戦に回りますが、大会を制するバレンシアに敗れました。
解説者を経て2008年欧州選手権後にスペイン代表に就任。優勝した直後だけに重圧もありましたが、2010年W杯予選を10戦全勝で突破し、2009年コンフェデ杯でアメリカとの準決勝で敗れるまで15連勝しました。DFピケ、MFブスケ、ペドロといったバルサ勢の台頭によりチームは攻守に選手層が厚くなりました。本大会では初戦でスイス相手にまさかの黒星を喫したことで、2戦目にF・トーレスをスタメン起用するなど方向を転換、これによりマークの負担が減った左に入るビジャが4戦連続ゴールを挙げると、準決勝ではプジョールのゴールで欧州選手権に続いてドイツを下します。オランダとの決勝では延長戦にもつれ、両チーム合計15枚のイエローが飛び交う展開の中でイニエスタが決勝点を挙げ、初めて世界王者となりました。
2012年欧州選手権予選はW杯のメンバーを引き続き招集、チェコやスコットランドの存在を問題にせず8戦全勝で突破します。しかし最多7点を挙げたビジャがクラブW杯での負傷から復帰できず、守備の要プジョールも本大会を前にケガで離脱します。CFにはジョレンテやネグレドを招集したものの、試合ではセスクを最前線に置く「ゼロトップ」を採用、イタリア戦とアイルランド戦で起用が的中して早々とグループリーグを突破。特に後者ではF・トーレスが復調を感じさせる2ゴールをマークしてチームの機運も高まります。その後フランスには終始主導権を握り、ポルトガル戦ではたがいに堅い守備でスコアレスドローに終わり、PK戦で守護神カシージャスが活躍しました。グループリーグ初戦の再戦となった決勝では、セスクを2試合ぶりに先発で最前線に置きます。試合はMFモッタが途中出場から10分足らずで負傷し、交代枠を使い切ったイタリアが10人での戦いを強いられるなど数的優位になり、2大会連続で決勝でのゴールとなるF・トーレスなど4度もサポーターを歓喜させます。守備でもピルロやバロテッリといった相手のキーマンを抑え4−0で終了。決勝での4点差の勝利は欧州選手権とW杯両方の最大得点差記録となり、スペインにとって2008年大会、W杯、本大会と主要大会3連覇を達成します。また、自らはW杯、欧州選手権、チャンピオンズ・リーグを制した初の監督になりました(W杯とチャンピオンズ・リーグを制したのはイタリアのリッピ監督以来、W杯と欧州選手権を制したのは旧西ドイツのシェーン監督以来でした)。
2014年W杯予選はフランスとのアウェー戦を制したのが大きく無敗で通過。2度目のコンフェデ杯はタヒチ相手に10点を挙げ、ウルグアイやナイジェリア、欧州選手権決勝の再戦となったイタリアとの準決勝はPK戦で勝ちましたが、開催国ブラジル戦は3失点で敗れました。
W杯本戦を迎えるころには選手層もさらに厚くなりますが、ブラジルから帰化させたD・コスタや主将で正守護神のカシージャスなど、チャンピオンズ・リーグ決勝を戦った両チームをはじめ、過密日程で疲労感をぬぐえないまま試合に臨む主力が多くなります。前回大会決勝の再戦となったオランダ戦は先制するも立て続けに5失点、ショックから立ち直れないままチリにも運動量で押し切られ、優勝候補の一角と言われたチームは1試合を残して終戦が決まりました。
2016年欧州選手権予選は1位で通過、本戦もチェコとトルコを完封します。しかしクロアチア戦で逆転負けし、決勝トーナメントではイタリアに前回決勝の雪辱を許しました。また、ペドロの発言やカシージャスとの確執とチームが一枚岩になれずサイクルが終焉、退任しています。

※:1950・12・23
2010年7月16日:新規アップ 2016年7月16日更新

99/00レアル・マドリー(CL優勝)
ラウール モリエンテス
サヴィオ マクマナマン
R・カルロス M・サルガド
  レドンド  
カランカ イエロ
  I・エルゲラ  
  カシージャス  

00/01レアル・マドリー(リーグ優勝)
ラウール グティ
マクマナマンフィーゴ
I・エルゲラマケレレ
R・カルロスM・サルガド
カランカイエロ
 カシージャス 

01/02レアル・マドリー(CL優勝)
ラウール モリエンテス
ジダン フィーゴ
I・エルゲラ マケレレ
R・カルロス M・サルガド
パボン イエロ
  カシージャス  

02/03レアル・マドリー(リーグ優勝)
ラウール ロナウド
ジダン フィーゴ
マケレレ F・コンセイソン
R・カルロス M・サルガド
I・エルゲラ イエロ
  カシージャス  

10スペイン代表(W杯優勝)
 ビジャ 
イニエスタペドロ
X・アロンソシャビ
 ブスケ 
カプデビラS・ラモス
プジョールピケ
 カシージャス 

12スペイン代表(欧州選手権優勝)
 セスク 
イニエスタシルバ
X・アロンソシャビ
 ブスケ 
J・アルバアルベロア
S・ラモスピケ
 カシージャス 

14スペイン代表(W杯出場)
 D・コスタ 
 シャビ 
イニエスタシルバ
X・アロンソブスケ
J・アルバアスピリクエタ
S・ラモスピケ
 カシージャス 

16スペイン代表(欧州選手権出場)
 モラタ 
ノリートシルバ
イニエスタセスク
 ブスケ 
J・アルバファンフラン
S・ラモスピケ
 デ・ヘア